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うさぎの不養生日記

うさぎの不養生日記

最近の治療・手術

昔は、乳癌で手術した人は、肋骨が浮き出た状態で誰が見てもそうだとわかったものです。私が就職したのは、実はそれほど昔ではありませんが、それでも、筋肉(大胸筋・小胸筋)を切除する手術が多く行われていました。じきに、筋肉を温存(残す)手術が多くなってきました。そして、一部の放射線治療のできる病院で乳腺を残す治療が始まったのです。

歴史的に、典型的乳房切除術というと胸筋を温存しない手術をさすのです。それが典型だった歴史ですね。そして、非定型的乳房切除術というと、胸筋を残す手術を指しました。途中からは、一般的な手術は胸筋温存だったんですけどね。あくまでも歴史的なネーミングなので。そして、歴史は乳房温存の方向に進みます。

腫瘍と腫瘍の周囲の乳腺だけ切除する腫瘍摘出術から、切除範囲はいろいろですが。ただし、見た目は大丈夫と思っても、切った断端に癌細胞が残っている可能性があります。それを見るのが病理の先生で、病理の先生が病院内にいるところでは術中迅速標本といって、リアルタイムで取れたものをすぐに顕微鏡で見てくれます。だから、切除範囲を小さくするような手術は、病理の先生がいるような病院で始まりました。もちろん、それだけの規模の病院が必要なのは病理の関係ばかりではありません。

乳癌が全身疾患の一形態を見ているというのは『最近の治療・化学療法』でも、紹介しましたが、悲しいことですが、乳癌に罹患した人は、罹患していない人よりもさらに乳癌に罹患しやすいのです。それに加えて、乳腺を温存すれば、温存した乳腺には切除した乳癌とは少し離れた癌細胞がいるかもしれないということになります。温存療法した人は、放射線療法を温存側の乳腺にすることが多いです。それは、腋のリンパ節転移(乳癌のリンパ節は腋にきます)がどうだったかなどを参考にして、決定されますが。

では、とにかく大きな病院に行かねばならないかというとそうではありません。大きな病院と提携したりして放射線療法をしてもらっているところも多いからです。乳腺の専門病院では放射線治療は近くの大きな病院に依頼しているところが多いです。そういうことも、きちんと聞くことがこれからはだいじかもしれません。


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